____苺の季節____
あたしが窓に近付くと、鳴海は遠くで大きく両手を振った。

表情まではっきり見えないけど、きっと笑顔。


あたしも笑って右手を小さく振った。


でも、すぐ、思い直して大きく振る。


鳴海は右手の人差し指を天に向け、高く上げた。


え、どういう意味?


あ…、ラスト…1本という事?


わかったよ。きちんと目に焼き付ける。あたしは頷いた。



クラウチングスタートの構えを取る鳴海。

スターティングブロックに足を乗せた時、あたしの胸がドキン…!となった。


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