____苺の季節____
「潮の香りがする」


鳴海が言った。


「そうでしょ?あたしは小さい頃からこの辺りに住んでるから、正直わかんない…、でも、違う所から来た人は皆言うの、潮の香りがするって……」


テトラポットによじ登って座った。


「鳴海もおいで、眺めが良いよ」


ひょいと簡単に上がって隣に座る鳴海を見て、格好良いって思う。


「ん?何?」


あたしは首を振った。
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