____苺の季節____
おでこを合わせて微笑む鳴海。


「杏奈、言っていい?」

「ん?」


あたしを見つめて、話し出すのを躊躇いながら言葉を繋ぐ。


「俺さ、上手く言えねーけど…、お前の事を見てるのが好きで、こうやって傍にいて声を聞いてるのも好きで安心する」


あ、同じだ…。嬉しい気持ちを噛み締めて、じっと見つめ返しうんうんと頷いた。

波の音とカモメの声を聞きながら鳴海の黒い瞳の奥を見る。


肩に置かれた鳴海の手のひらに力が入った。


「お前と一緒にいたいんだ、ずっと一緒に……」


うん、あたしもそうだよ。どうしたの?真剣な瞳がドキドキさせる。


「わかるか?言ってる事…、

俺まだまだガキだから、こんな事を言っても信じてもらえないと思う、

でも、マジな話で、母さんや親父がずっと一緒だったみたいに俺達もなれたら……、

俺はそう思ってるから」

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