____苺の季節____
「え?あ、いや…、何でもありません、先生の部屋に行ってきますね」
笑いながら少し早口で言い、急いで階段を目指す。
「ちょ…、待てって」
彰先輩は、あたしを軽々追い越して前に立った。
「どうして?先輩が行けって言いましたよね」
「言ったけどよ、杏がそんな顔してっから…」
「そんな顔?やだな、変な彰先輩…、ほら、あたし、先生の部屋行きます、先輩は皆に花火大会するぞって言って来て下さいよ」
くるりと背中を向けさせてぐいぐい押した。
「わかったから押すな、杏…、お前よ、一人で泣くなよ、なんか色々色々抱え込んでそうだからよ」
バカ、バカ…、彰先輩のバカ。
現実逃避と切なさでごちゃ混ぜのあたしに優しくしないで下さい。
彰先輩の優しさを受けちゃいけないの知ってるから。
優しくしないで下さい。
「何それ、やだな、からかわないで下さいって」
明るくふざけた言葉を置き去りにして、先生の部屋まで一気に階段を上がった。
笑いながら少し早口で言い、急いで階段を目指す。
「ちょ…、待てって」
彰先輩は、あたしを軽々追い越して前に立った。
「どうして?先輩が行けって言いましたよね」
「言ったけどよ、杏がそんな顔してっから…」
「そんな顔?やだな、変な彰先輩…、ほら、あたし、先生の部屋行きます、先輩は皆に花火大会するぞって言って来て下さいよ」
くるりと背中を向けさせてぐいぐい押した。
「わかったから押すな、杏…、お前よ、一人で泣くなよ、なんか色々色々抱え込んでそうだからよ」
バカ、バカ…、彰先輩のバカ。
現実逃避と切なさでごちゃ混ぜのあたしに優しくしないで下さい。
彰先輩の優しさを受けちゃいけないの知ってるから。
優しくしないで下さい。
「何それ、やだな、からかわないで下さいって」
明るくふざけた言葉を置き去りにして、先生の部屋まで一気に階段を上がった。