____苺の季節____
第1章 春
新しいスタート
「今日は、4月5日。お天気は晴れでーす!……、ワー、おっとっと、危ないよぉ」
お日様がご機嫌だから、あたしも、ついつい嬉しくて、幼稚園児みたいに声を張り上げた。
通学中の小学生グループが、「うるせー姉ちゃんだな」と振り返るのをにんまり横目で見ながら、清々しい風を切る。
「桃ちゃん、調子が良いね~、もっと飛ばすよ」
買ったばかりの自転車に話し掛けた。
可愛らしい桃色に一目惚れして買ったんだ。でも、やっぱり27インチの自転車は、あたしには大きいか。
跨いでみても何とか爪先が付く位。
兄ちゃんにも「危なっかしいな」と言われたっけ。
ん~、でも平気。気を付ける。
私の運動神経ならノープロブレム。
ぐいぐい坂道も登ってく。
「おはよう、島ちゃん」
佐々木商店の前、自転車の横に立ち、ハンドルを握る親友の島谷 洋子ちゃんに挨拶をした。
「おはよう!杏奈……、ちょっと、この坂一気に上がって来れたの?
さすがだね、高校初登校で気合い十分」
島ちゃんは形の良い口を綺麗に開けて笑った。
お日様がご機嫌だから、あたしも、ついつい嬉しくて、幼稚園児みたいに声を張り上げた。
通学中の小学生グループが、「うるせー姉ちゃんだな」と振り返るのをにんまり横目で見ながら、清々しい風を切る。
「桃ちゃん、調子が良いね~、もっと飛ばすよ」
買ったばかりの自転車に話し掛けた。
可愛らしい桃色に一目惚れして買ったんだ。でも、やっぱり27インチの自転車は、あたしには大きいか。
跨いでみても何とか爪先が付く位。
兄ちゃんにも「危なっかしいな」と言われたっけ。
ん~、でも平気。気を付ける。
私の運動神経ならノープロブレム。
ぐいぐい坂道も登ってく。
「おはよう、島ちゃん」
佐々木商店の前、自転車の横に立ち、ハンドルを握る親友の島谷 洋子ちゃんに挨拶をした。
「おはよう!杏奈……、ちょっと、この坂一気に上がって来れたの?
さすがだね、高校初登校で気合い十分」
島ちゃんは形の良い口を綺麗に開けて笑った。