____苺の季節____
あたし、頭の上に、ハテナマーク幾つも浮かべた。


「え?頑張るって何を」


さらに、すっとんきょうな返事をする。


「男として色々だよ……、いや、良いんだ、気にしないで、俺は、紅林 冬也(くればやし とうや)、宜しく」


整った顔立ちで繊細なイメージの、紅林 冬也君はすらりとした手のひらを差し出した。


長い指だなと思いながら、あたしも手を出し握手する。


「ちっちゃい手だね」


そう言ってニッコリ笑った。


柔らかく、そっと握る力加減が、ちょっと紳士的に思ったのは何故だろう。






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