____苺の季節____

スマイルミュージック

あたしは、吹奏楽の入部希望者を探したくて、

休み時間となれば、廊下や他の教室で色んな子に声を掛けた。


人見知りしない、楽観主義。

入学して間もないのだから、面識のないあたしに声を掛けられて戸惑うのは当たり前。


「ねぇ、吹奏楽やらない?」


「いや……、もう、他の部に決めてる」


「未経験者も大丈夫だよ、見学だけでも来ない?」


「うーん、見学だけなら良いけど」



困ったように苦笑いしながら、答える子が多い中、


「私は小学生の頃からやってるよ」


「ここのマーチング、ドリルって言うんだっけ?

あれ凄いよね、やってみたい」


好感触の答えをくれる子もいた。


「ありがとう…、良かった、仲間を見つけたぁ」


あたしは、本当に本当に嬉しくて、思わずその子に抱きついちゃった。

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