____苺の季節____
4月15日。

正式に入部が決定し、あたし達20名は、晴れて、南陽高校吹奏楽部員となった。

部員数、68名。


かなり大きい部なので、人間関係が難しいのではないかと心配もあったけれど、前向きに頑張ろうと思った。


あたしは、トロンボーンパート、れいちゃんも、フルートパートに入る事が出来た。


広い音楽室の中、先輩達がそれぞれ楽器を響かせる。

すると、一際、輝く音色が私の心を捉えた。


上手い、と一瞬で存在感をアピールした人物。


体格が良い強面の3年生。

部長の沢田 あつこ先輩。

ホルンパート。


ずば抜けて澄んだ伸びのある音色を奏でた彼女が部長である事に、レベルの高さを感じて緊張感が増す。


というより、正直、こ、怖い。

ひぇー、眼光、威圧感が凄まじいよ。

ゴクリと喉が鳴る。


そして、各パートリーダーを勤める先輩達も、かなりの腕前で、個人の才能と、高校生として積み上げた経験が輝いて見えるようだった。


18歳ともなれば雰囲気も大人で、あたしなんかは特に子供っぽくて、たじたじだよ。


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