____苺の季節____

好きと言えたなら

休み時間、詩織ちゃん達と輪になっておしゃべりしてた時、


早苗ちゃんが、突然、声のトーンを落として言った。

「ねぇねぇ……、そう言えば、杏奈ちゃん、彼とはどうなってんの?」


「あぁ、それ、聞きたかった~、実はさ…、見ちゃってたの、入学式のバチン!!ってやつ…、ごめん、でもなぁんか良いカンジになってたし」

と間を置かずに章子ちゃん。


え?

あ、やだ…。

そうか。

いや、でも、あたし達は。

あ、あたし達は……。


あれ?顔が熱くなる。



「いや、特に何も……、何もないけど?」



「そうなの、もう3週間位経つよね……、何にもないの?

彼は、杏奈ちゃんに結構アツい視線、送ってるよ?

見守ってるみたいな感じがする」



章子ちゃんの言葉に、あたしを囲む4人が、

「うんうん、そうそう」

と相づちを打つ。



「あのさ、杏奈ちゃんからアクションを起こしてないんじゃない?」



恵ちゃんにも突っ込まれてさらに顔が熱くなる。


え、アクションって、言われても。


だって、

ど、どうすれば良いの。


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