____苺の季節____
水飲み場、蛇口を大きく捻って勢い良く水の柱を作る。


両手を突っ込んで、流れる柱がバシャバシャと形を変えるのを見ていた。


顔を上げれば、大きな鏡。

いつ見ても変わらない、ふわふわの癖毛。

少し白い顔。

何の取り柄もない目鼻立ち。


小さくて、子供じみた体型。


バカみたい。

バカみたい。


鳴海があたしを見てるって?

アツく?

見守ってる?


違うよ。


きっと見間違い。

だって、あれから、ろくに口もきいてない。


両手に掬った水を、次々顔に浴びせる。



「星さん……?」




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