____苺の季節____
でも、胸の中、よぎるのは、アイツの強い腕と温かさ。

強引でも、どこかホッとするあのペース。

アイツの笑う顔。

意志の強い瞳。

やっぱり、鳴海なんだ。




瞼を一度きつく合わせた。
そして、

ふわりと抱いてる隙間で、
くるりと向きを変え、紅林君の胸をそっと押す。


「ごめんなさい……、あの、あたし」


「あーっと、わかってる、
わかってるんだ、

ごめん、

驚かせたね」


紅林君は、パッと離れて髪をかきあげる。


「わかってるんだ、

伝える事が出来て…、良かった、


でも、俺の気持ち、

簡単には消せそうにないよ、

君の幸せを願いたいし、

力にもなりたい、

何かあれば、

いつでも言って?

すぐ飛んでいくからさ、


君を守りたいっていう気持ち、

格好悪すぎる…かな?」





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