____苺の季節____
授業中、風に揺れるカーテンを眺め、紅林君の瞳と長い腕の優しさを思い出す。


教科書の太字を意味もなく、何度も蛍光ペンでなぞりながら、鳴海の笑顔も想った。


シャーペンをカチカチと押し、紅林君の言葉を……、

白いノートの上、折れた芯を、机の端まで払って鳴海の背中を、あたしの髪を撫でた手を想う。



あたし、あたしは。



カーテンの隙間から見える空は、


濃い青のグラデーション。

カーテンが揺れると、


眩しい陽の光が煌めいて目を細めた。



あたしは、切なさを胸の中にしまう。

心は、切ない色のマーブル模様。



あたしは、何度も角の丸い消しゴムを、白紙のノートの上に擦り付けた。




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