____苺の季節____
「あはは…、可笑しい、でも良いよ、鳴海は鳴海だから」


鳴海は一瞬驚いた顔をしたけど、ニコニコ笑う。


「良かった…、あとひとつは?」


そう聞かれて、少し喉が熱くなる。


1番聞きたくて、聞きづらくて、知りたくて、不安で苦しかった事だから。




「あのね…、あのさ、

あの日、

百合ちゃんを追い掛けていった時の事だよ」



鳴海の目を見て聞けなくて、俯いたまま、勇気を振り絞り声にした。



「あの後、鳴海帰って来なかったじゃない?


あれって……、


その、つまり、

あの後、百合ちゃん…と、

ずっと一緒だった…、


そういう事…かな」




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