____苺の季節____
「大…丈夫?」

「あぁ、病状は何とも言えねーなぁ、でも、きっと大丈夫だ、サンキュー」


あたし、鳴海の手をギュッと握るしか出来なかった。

「杏奈?これからも何か不安な時は言うんだぞ、

気付いてやれねーで泣かすような事、したくないから」


「うん、な、鳴海も言って?どんな事でも、

頼りになんないのは分かるけど、

鳴海の力になれる【あたし】でいたいから」


「オッケー」


鳴海は親指を立てて見せた。

あたしは抱きついて祈った。

鳴海のお母さんが良くなりますように……。

顔を埋めて、『神様、鳴海の大切なヒトをどうかお守り下さい』って、何度も、何度も、強く祈った。



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