____苺の季節____
「仕方ない、頑張るしかないみたいね」

恵ちゃんが笑う。

「あ~あ」と章子ちゃんと早苗ちゃんは、だるそうに着替え始めた。


「暑いよね、でも、この学校プールがないから良いよ」


そう言いながら、あたしも着替える。


「プールの方が好き、まだいいって!」


章子ちゃんは、かなりのアンチテニス派らしい。


あたしは面白いなと思いながら、少し伸びた髪をまとめてゴムでくくる。


「可愛い!杏奈ちゃん、アップにしても似合うね」


詩織ちゃんが微笑んだ。

「え…?あ、ありがとう、
この位伸ばした事なくて…、初めて結んでみた、ほら、あたしの髪ってこんなんでしょ?伸ばす気になれなくて…」


「や、良いんじゃない?緩いウェーブが自然に出るのかも…、髪質が柔らかいから」


恵ちゃんが毛先を撫でた。


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