□朔□
□晴れ、ときどきドラッグ
①シーツ
「なんか、やだ」
気がつくと横には別の男。
記憶が吹っ飛ぶほど飲んでしまったことを由美子(ゆみこ)は後悔した。
六本木のクラブで飲み始めた時には、拓也(たくや)や、勇(いさむ)と一緒だったはず。
だけど、隣に今、寝ているのは、見知らぬ誰かだった。
――私、服は着てる。
由美子は確かに男と寝ているのだが、ただ寄り添い眠っていただけで、別に体を触られた形跡もなかった。
ブラのホックも、しっかりとついたままである。
記憶を辿るように、部屋全体の景色を見渡す。壁には無数のシミがあり、シャンデリアが薄く灯っている。ちょうど枕元の方は、壁が一面、鏡張りになっていた。
そこに映る由美子の顔は昨日とは変わらない。口紅が剥げたせいで、少しばかり不健康そうな表情がこちらを向いている。
気がつくと横には別の男。
記憶が吹っ飛ぶほど飲んでしまったことを由美子(ゆみこ)は後悔した。
六本木のクラブで飲み始めた時には、拓也(たくや)や、勇(いさむ)と一緒だったはず。
だけど、隣に今、寝ているのは、見知らぬ誰かだった。
――私、服は着てる。
由美子は確かに男と寝ているのだが、ただ寄り添い眠っていただけで、別に体を触られた形跡もなかった。
ブラのホックも、しっかりとついたままである。
記憶を辿るように、部屋全体の景色を見渡す。壁には無数のシミがあり、シャンデリアが薄く灯っている。ちょうど枕元の方は、壁が一面、鏡張りになっていた。
そこに映る由美子の顔は昨日とは変わらない。口紅が剥げたせいで、少しばかり不健康そうな表情がこちらを向いている。