山賊眼鏡餅。
■第1章

出会い

出会いは唐突だった。


大学の校舎の裏山。



裏山とは言っても、名前が付いているような、それなりに立派な山で、山頂には神社があるような所だ。

頂上までは歩いて20分くらいだろうか。

その山の中腹だった。




私は、死にそうになりながら、たった一人で斜面を歩いていた。


明け方までサークルの仲間達と飲んで、そのままノリで山登りをすることになったが、私はハイヒールだった。


酔っているし歩きにくいし、気付いた時には、集団から外れていた。



『朝焼けを見に行こうぜ!!』 と提案したのは、太って眼鏡をかけたチビだった。


顔を思い出すと、怒りがこみあげてきた。
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