山賊眼鏡餅。
その間、平田は、テーブルの上の料理をひたすら食べ続けていた。

観察してみると、10分に1度くらいのペースで、店員を呼び寄せ、料理を注文していた。

次々に運ばれてくる、カロリーの高そうな揚げ物を一定のペースで口に運ぶその姿は、茶摘みを連想させた。

いまいち盛り上がらないまま、合コンはお開きになった。


リス研の三人の人間性はだいたい解ったような気がするが、事件については収穫無しだった。




何も無しで合コンが終わってしまう。




と思った矢先に事件が起こった。



お会計の時だ。


「7万4千円です」


店員は確かにそう言った。

何かの間違いだろうと誰もが思った。



しかし、請求されているのは、確かにその金額だった。

平田の揚げ物だ。



「ぼ……わ、私が払うわよ」

気持ち悪い女言葉で、平田はそう言うと、エルメスの財布の中から颯爽とアメックスのプラチナカードを出した。



今回の合コンで、平田が注目された最初で最後の機会だった。
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