山賊眼鏡餅。
中にはほとんど何も収納されていない。

がらんとした空間だ。

しかも、普通の押し入れよりも、かなり奥が深い。

上の段は、2メートルくらいの深さだが、下の段はどこまでも続いているように見える。

薄暗いのもあって、奥がどうなっているのかはわからない。



「誰かいませんか?」


声をかけてみる。


すると、ノック音が強くなった。




誰かいる。



嫌な汗がにじみ出る。


押し入れの暗さに目が馴れてくると、奥にあるものが確認できた。




木箱だ。




1メートル四方くらいの大きさの木箱だ。


どうやら、中に人が入っているみたいだ。


なぜこんなことになっているのか解らないが、中の人は助けを求めているようだ。


私は、木箱を押し入れから出すことにした。



かなり力がいる作業だろうと覚悟を決めた。

が、あっけないほど簡単に木箱は動いた。

下に車輪が付いている。

私は木箱を押し入れからひっぱりだした。



白っぽい厚い板で出来た、頑丈そうな木箱だ。

どうやって開けるのだろうか。



箱のまわりを調べていると、突然、悲鳴が聞こえた。
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