山賊眼鏡餅。
ハムスター
「ミチコ先輩~。どうしたんですか!?その腫れぼったい目」
大げさに驚いたように目黒さんが言う。
「寝不足」
私は答えた。
本当は、昨日泣きはらしたからだ。
昼下がりのハム研の部室。
夏休みの間、誰がハムスターを預かるかを決める会議の最中だ。
すっかり寂れてしまったハム研会議には、主要メンバーしか集まらなかった。
目黒さん、平田、沼袋部長、私の4人だ。
本来ならここに真帆と吉川ヨシオもいるはずだった。
吉川ヨシオはまだ入院していて、真帆もその付き添いで病院に行っている。
吉川ヨシオは、傷口からばい菌が入って、入院が長引いているらしい。
「ジャンケンで決めちゃいますかあ?」
平田が言う。
平田は、なぜか、薄ピンクのマニュキュアをしている。
合コンの時の女装で何かに目覚めてしまったのだろうか。
「いや。ここは民主主義で、多数決でいこう」
沼袋部長が言う。
「部長が言うからには、それにしたがわないといけませんね」
目黒さんが言う。
私もその意見に賛成だった。