山賊眼鏡餅。
目黒さんは三段の重箱のような弁当箱を広げている。

五目おこわが1段、色とりどりのおかずが1段、デザートが1段だ。

デザートの段には、お饅頭と羊羹とチーズケーキとオレンジが入っている。

すごいお弁当だ。


沼袋部長と山嵐ノゾミは、スタイリッシュなデリのランチボックスだ。

私のお昼ご飯が一番地味だった。



「わあ、ミチコ先輩、おいしそうなメロンパンですね」

いちいち目黒さんが私のパンを狙ってくるのが、鬱陶しい。



「お弁当、実は手作りなんです」

得意げに目黒さんが言う。
そういえば、料理が趣味だと聞いたことがある。


「へえ。すごいねえ。あたいも料理は結構するんだよ」

山嵐ノゾミは、金髪のわりに家庭的だ。

きれいにアイロンのかかったハンカチを膝に敷き、食事をしている。


「さてさてさて!」

沼袋部長が言う。


「目黒さん、リスの報復事件のことをわかりやすく説明してくれたまえ」


「あ!はい。もぐもぐもぐ」

おこわを食べながら目黒さんが言った。

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