山賊眼鏡餅。
大学から山までは歩いて10分程だ。



山自体は、校舎のすぐ裏にあるのだが、山道までは少し距離がある。




大学の西門を出て、お弁当屋さんとコンビニとゴミ屋敷を通過してしばらく歩くと、登山口に着く。




山登りの開始だ。


気温はそれほど高くないはずだが、山道を歩いていると汗がにじみ出てくる。





なぜ、私は登るのだろう。

そこに山があるから、という理由では決してない。

ハジメがいるかもしれないから、というのが正解だ。

おそらく。





山頂の広場が見えてくる。



今日は中学生のカップルはいないようだ。



いや、しかし油断は出来ない。

奴らはあらゆるところに潜んでいる。



注意深くあたりを見回すと、垢抜けない高校生のカップルが、茂みでピクニックをしていた。


二人とも、深緑色のカーディガンを着ているので、保護色で見落とすところだった。



何度も山に登って気付いたのだが、この山は、若いカップルのちょっとしたデートスポットになっているらしい。





鳥居をくぐって、神社の裏に回ると、そこにハジメがいた。




体が熱くなるのを感じた。
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