山賊眼鏡餅。
次に目を覚ますと、東の空が明るくなり始めていた。


手に力を入れてみると、思い通りに動いた。

飲まされた変な薬の効力が切れたのかもしれない。


私は、静かに上体を起こした。



あたりはしんとしている。

夜の山だ。


多分、ふもとに近いところにある立入禁止の札の近くだ。


私は、立ち上がって、服に付いた砂を払った。

まわりには誰もいないようだ。




私は、物音を立てないように、静かに歩いて山を降りた。
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