山賊眼鏡餅。
「やあ」




ハジメが言った。



相変わらずの黒装束に、涼しい目元と、黒く長い髪。



「今日和……」


「やっと会えたね」


「私、あれから風邪引いちゃって……」


「来てくれると思ってたよ」


ハジメはにっこりとほほえんだ。




「私は、本当に会えると思ってなかった……」


「ミチコが山に来さえすればいつでも会えるさ。さあ、この前の場所に行こう」




ハジメは茂みの中に入って行った。




私も後を追った。
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