山賊眼鏡餅。
「ハジメ、いろいろ聞きたいことがあるの」
「何?」
「平田とウルフ中川のこととか」
「誰?」
「さっき、しましまの服を着て、山に入って行ったの」
「ああ、あのしましまさんたちか」
「しましまさん?」
「しましまの服を着ているからしましまさんだよ。二人はとっても仲が良いんだ」
「え……仲良しなの?」
「そうだよ」
「行方不明になってみんな心配してるんだよ」
「そうか……」
「平田に会わせて」
「放し飼いになっているから、呼んでもこないよ」
「何で、そんな、ペットみたいな言い方するの?」
「おかんのペットなんだ」
「何それ。やっぱり平田をさらったのはハジメたちなの!?」
「違うよ。取引したらしいんだ」
「何それ。人身売買?」
「そうとも言う」
「山賊が人を買ってきて食べるっていう噂は本当だったの!?」
「わあ。誰に聞いたの!?そんな噂」
「ホームレス」
「食べたりなんかしないよ。猟犬みたいなものだよ」
「え」
「おかんが安く手に入れて、しつけたんだ」
「何それ」
「おかんは洗脳が得意なんだ」
「え……」
「ミチコのだったら、返すよ」
危険な香だ。
「お、お母さんに怒られないの?」
「今は出張だよ。それに話せばわかる人だ」
「ハジメ」
「何?」
「フルフェイスの犯人、見たの?」