山賊眼鏡餅。
次の日。

午前の授業を終えると、私は山に登った。



ハジメは神社の裏で椎茸を噛りながら私を待っていた。



なぜ椎茸なんて噛っているのか質問すると、ハジメは

「遅目のブランチ」

と答えた。



「生しいたけ?」


「いや、干ししいたけ」


「かたくないの?」


「かたい」


「なんでそんなの食べてるの?」


「その質問2度目だよ。フフフ。遅目のブランチだよ!それより、奥にいこう」


「あ、うん」




私たちは茂みの中に入っていった。


いつもの場所だ。


腰掛けるのにちょうど良い岩があって、360度茂みに囲まれたスペース。




「ここなら誰にも見られないよ」


ハジメは言った。


「なんで隠れるの?そういえば、展望台のベンチでも良いんじゃない?」


「それは……」


ハジメはそう言うと、私を抱き寄せた。



「!!」


「こういうことをする為」



ハジメは、ゆっくりと唇を重ねた。
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