山賊眼鏡餅。
コール音が鳴る。


1回……

2回……


15回目で、留守番電話に切り替わった。


「ミミさんの友達のミチコです。怪しいものじゃないので電話に出てください」

メッセージを吹き込み、電話を切った。


少し間を置いて、再びオード卵に電話をしてみる。


やはり、留守電になってしまった。



「もしもし。ミミさんがいなくなったことについて聞きたいことがあります。昨日のことで責任感じてます」

またメッセージを吹き込んだ。


「せちがらい世の中ですね。電話にも出てもらえないとは」

平田が言う。


「嫌われてるのかなあ」


「私もかけてみます」

目黒さんが言う。


私に対する明らかなライバル視だ。


自分なら魅力あふれる女性だから電話に出てもらえる。


彼女はそう考えているに違いない。
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