山賊眼鏡餅。
「目黒でーす。昨日はごめんぴょん。ミミ助を助けようと私たちは頑張っています。連絡してください」


可愛い声を作って、そう言うと、目黒は電話を切った。


やっぱり電話はかかってこない。


「僕もかけてみます」

平田が言う。


平田は、心を打つような言い方を考え、台本まで書いて、留守電に臨んだ。


「ぼへっ!」


電話をかけた平田は言った。


「どうしたの?」



「留守電にならないです」

「あー。留守電の録音、いっぱいになっちゃったんじゃないですか?」


目黒さんが言う。


「ちっ」

平田は残念そうに舌打ちした。


「まあ、用事があって、今は携帯見られないのかもしれないし、留守電を聞いてくれるのを待つしかないか」


「そうですねえ」


悔しそうに平田は言った。
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