山賊眼鏡餅。
「え!?いつですか!?」

平田が言う。


「まっ、一言だけだが……9時過ぎくらいだったかな」


「ミミさんはどんな様子でしたか?」


「なんか、誰かと一緒みたいだったぜ。あとで掛けなおすって言って、それっきり」


「うー」


「オレが戻ってきたって知って、結構喜んでさ。絶対あとで掛けなおすって言ってたんだけどな」


「その時間だと、きっと一緒にいたのは、リス研の誰かですね」

平田は鼻をかきながら言った。


「で、落し穴に落ちたのは何時くらいなの?」

私は言った。


「11時過ぎだな。バイトの後に、飯食って、うちに帰ってきたら、ドカーンっだ」


「ミミさんは、電話するまで、ウルフさんが戻ってきたことを知らなかったんだよね?」


「そういうことになるな」


「ウルフさんが戻ってきたことを知って、あわてて落し穴を堀りに来たってことになるのかな……」


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