山賊眼鏡餅。
鶴見ミツルはすぐにやってきた。


いかにもユニクロのセールで特別安く買ったような奇抜な黄緑色のポロシャツに、チノパン、赤いニューバランスのスニーカーを合わせているのが、鶴見ミツルらしい。

口元に笑みを浮かべて鶴見ミツルは言った。


「大変なことになってるらしーね」


「ミツルさん、来てくれてありがとう」

あからさまに嫌そうな顔をして真帆は言った。


「はじめまして。鶴見君」

沼袋部長はニンテンドーDSから顔を上げて、挨拶した。


「合コンの時は騙されちったなー。ハム料理研究会じゃなくて、ハムスター研究会だったなんて。ヒヒヒ」

「嘘をついたこと、謝ります」

目黒さんが言った。


「マァ、ボクは可愛けりゃ何でも良いんだけどさっ」


「鶴見さん!」

平田が言った。


「ナンダイ?」


「昨日のミミさんの様子を教えてくださいよ」


「あー。いなくなったんだよな。へへへ」


「どこに行ったかわかりますか?」
< 270 / 324 >

この作品をシェア

pagetop