山賊眼鏡餅。
「とりあえず、関係者全員に連絡取ったよねえ」

私は言った。


「鶴見ミツル君、ウルフ中川君、山嵐ノゾミ君。……オード卵君は連絡待ち……。そうだな。間違いない」

沼袋部長はぷよぷよをやりながら言った。



「はやくオード卵さんから連絡が来てほしいですねえ」

平田が言う。


「留守電聞いてないのかな」


「僕の留守電、無視されてるんでしょうかね」


「え……!?」


「どうしたんですか?ミチコさん」


「平田の留守電、何で入ったんだろう……。メッセージがいっぱいで、これ以上録音できないはずだったよね」


「古い録音を消したんじゃないですか」


「それって、オード卵が、留守電を聞いたってことだよね!」


「おっ。そうですね」


「留守電聞いたのに、連絡よこさないってことだよね」


「そうなりますね」


「怪しい……。怪しいよ」


「オード卵君は、ミミ君のことが好きなんだろう」

沼袋部長が言った。


「そうらしいですね」

平田が言う。


「好きな子がいなくなったのに、無関心っていうのはおかしい!」

眼鏡を光らせ沼袋部長は言った。


「みんな!オード卵の家に行ってみようよ!」

私は言った。


平田と目黒さんが立ち上がった。


「私たちは、ここに待機してるね」

真帆が言う。


「来ないの?」


「全員で行っちゃったら、何かあった時に対応できないから……」


「確かに」


「僕もここで真帆君といるよ」


「わかりました」


そうしている間に、平田と目黒さんは、張り切って外に出ていった。


私もあわてて後を追った。
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