山賊眼鏡餅。
部室に着くと、沼袋部長と目黒さんと真帆が待っていた。


「僕が集合かけたんですよ」

平田が得意げに言う。


みんなは、頭に袋を被らされたオード卵を見て、ぎょっとした様子だった。


平田が、ゆっくりと、袋とさるぐつわを取った。


「ぶほっ!ひでーよ!」

オード卵が言う。

目の下には隈が出来、少しやつれた印象だ。


「どこから見つけてきたんだい」

沼袋部長が言う。


「詳しいことは言えませんが、とある筋からです」


平田が言う。


「さすが平田先輩ですね」

目黒さんは目を輝かせて言った。


「本当に吉川ヨシオ君のことは知らないの?」

真帆が言う。


「おいらは知らない。全然知らない」

オード卵は答えた。


「それって本当なの?」

真帆が言う。


「山賊が拷問したんだから、確実ですよ」

平田が言う。


「山賊??」


「な、なんでもないです!」


「でも、じゃあ、ヨシオ君、どこ行っちゃったんだろう」


「残念ながら、オード卵は全く知らないようですからね」


真帆はうつむいてため息をついた。

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