山賊眼鏡餅。
大学に着くと、私はハム研の部室に直行した。



部室のドアを開けると、太った女の子が床に座っているのが目に入った。


1年生の目黒さんだ。


彼女はハムスターの入った籠をじっと見つめ、青ざめた顔をしていた。




「ミチコ先輩……」


「目黒さん、何があったの!?」


「大変なんです……」


「どうしたの?」


「落し穴……」


「真帆が提案したリス研対策の落し穴?」


「そうです」


「もしかして、誰か落ちて怪我でもしたの?」


「正解です」


「骨折とか??」


「そういう人もいます……」


「え。何人も怪我したの?」


「全員……」


「え?」


「リス研総勢17名、全員が落し穴に落ちたそうです……」


「え!多くない!?そんなに」


「5回に分けて、全員落ちたんです」


「そ……そんな!」


「穴は部室のドアの5メートル前に掘られていました」


「部室に行こうとして落ちたの?」


「そうです」
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