山賊眼鏡餅。
進展★
「それで今日は遅かったわけだね」
花の蜜を吸いながら、ハジメが言った。
山頂の茂みの中のいつもの場所。
私は、今日の出来事を我ながら興奮気味に、ハジメに話して聞かせたところだった。
「弟、逮捕されないと良いな……。心配だょ」
「ナンバープレート見られてたらまずいね」
「何よりも、弟のバイク、目立つから、通報されたらすぐに持ち主がばれそうだよ」
「ああ、あの黄色と黒のしましまの派手なバイク?」
「いつ見たの!?」
「ミチコのことはいつでも見てるよ。最近よく弟さんのバイクで来るだろ」
「うん」
ハジメは、フフフと笑って、私に花を差し出した。
「ミチコも吸う?」
「私は吸わない主義なの」
「おいしいよ」
「そんなミツバチみたいなことしたくない」
「どっちがミツバチなんだか」
「え?」
「あのバイク、ミツバチにそっくりじゃん」
「あはは。確かにそうかも」
ハジメと話していると癒される。
見とれるほどきれいな顔に、やさしい声。
夢中になって話しこんでいると、あっという間に時間が過ぎてしまう。
「私、そろそろ帰らないと」
「もうそんな時間?」
「日が暮れる前に帰らないと、このへん夜道が恐いから……」
「遅くなっても、俺が下まで送っていくから大丈夫だよ」
「う……うん」
「っていうかさ、ミチコ」
「何?」
「今夜は帰さないって俺が言ったらどうする?」
「え?」
「今夜は帰らせない」
ハジメはそう言って、私を後ろから抱き締めた。
花の蜜を吸いながら、ハジメが言った。
山頂の茂みの中のいつもの場所。
私は、今日の出来事を我ながら興奮気味に、ハジメに話して聞かせたところだった。
「弟、逮捕されないと良いな……。心配だょ」
「ナンバープレート見られてたらまずいね」
「何よりも、弟のバイク、目立つから、通報されたらすぐに持ち主がばれそうだよ」
「ああ、あの黄色と黒のしましまの派手なバイク?」
「いつ見たの!?」
「ミチコのことはいつでも見てるよ。最近よく弟さんのバイクで来るだろ」
「うん」
ハジメは、フフフと笑って、私に花を差し出した。
「ミチコも吸う?」
「私は吸わない主義なの」
「おいしいよ」
「そんなミツバチみたいなことしたくない」
「どっちがミツバチなんだか」
「え?」
「あのバイク、ミツバチにそっくりじゃん」
「あはは。確かにそうかも」
ハジメと話していると癒される。
見とれるほどきれいな顔に、やさしい声。
夢中になって話しこんでいると、あっという間に時間が過ぎてしまう。
「私、そろそろ帰らないと」
「もうそんな時間?」
「日が暮れる前に帰らないと、このへん夜道が恐いから……」
「遅くなっても、俺が下まで送っていくから大丈夫だよ」
「う……うん」
「っていうかさ、ミチコ」
「何?」
「今夜は帰さないって俺が言ったらどうする?」
「え?」
「今夜は帰らせない」
ハジメはそう言って、私を後ろから抱き締めた。