山賊眼鏡餅。
「やだ……、ハジメ……」
「嫌?俺のこと嫌い?」
「ううん……」
「好き?」
「……ぅん」
「じゃあ、良い?」
「でも……」
「でも?」
「こんな場所じゃ……」
「こっち、来て」
ハジメは私の手を取って、茂みの奥に入って行った。
少し進むと、生い茂った草の中から小さな小屋が現われた。
蔦の絡まった年季の入っていそうな小屋だ。
「ここは?」
私の質問には答えず、ハジメは扉の前まで歩いて行った。
「勝手に入って良いの?」
「勝手にって、ここ、俺の家だよ」
「えぇ!?」
勢い良く扉を開け、ハジメは、
「ただいま!」
と言いながら、小屋の中に入って行った。