山賊眼鏡餅。
「ジントニック!」


「カルーアミルク!」


「グラスワイン!」


「ほっけ二つ!」


「ビール」


「私も!」


いつもの居酒屋で、1杯目の注文の声が響く。



「本日の課題は、リス研対策について!」

沼袋ダイスケ部長が言う。



「こんな大変な時期にリス研ですか!?」

平田が言った。



「こんな時期だからこそリス研なんだ」

沼袋が言う。



「っと言いますと?」


「真帆君と吉川を襲ったのは、リス研の誰かなのではないかと、僕は考えた」


「え…、えっ、ぇええ!?」


「リスの落し穴事件の報復」


沼袋部長がそう言うと、あたりはしんとした。


「そんな……私、ちゃんと2万円払ったのに」


真っ青な顔をして真帆が言った。


「僕のパパは30万!」

平田が言った。



「そう。みんなお見舞い金を払って、和解したはずだった」

部長が言う。



「ただ、納得してない奴もいた!」

沼袋部長の眼鏡が光る。


「嫌がらせの手紙が、何度か僕に届いたんだ……見たまえ。これを」

沼袋部長は、ポケットから、手紙の束を取り出した。


「目黒さん、読んでくれるかい」


「はい!」


目黒さんは、瞳を輝かせて、手紙を読み始めた。
< 49 / 324 >

この作品をシェア

pagetop