山賊眼鏡餅。
「ほら、影丸。ニンジンさんだよ」

ハジメがそう言うと、影丸は羽をばたつかせて、カレーの皿のふちに飛び乗った。

「うわっ」

思わず声をあげてしまった。



影丸が、すごい勢いで皿の中のニンジンを突き始めたのだ。



ワイルドすぎる。


「すごいね」


「すごいだろ」

ハジメは誇らしげに言った。


「すごいけど、ちょっと汚いね」


「そうかな」


「しかも、それ、私のカレーじゃない?」


「俺のと取り替えるよ」


「ありがとう」




私たちは、カレーを食べながら、いろいろなことを話した。


ほのぼのとした幸福な時間だ。


ハジメといるときが一番幸せ。


間違いなく、そう思えた。


お風呂をのぞかれたのは、少し腹立たしかったけど、たまに変なところもハジメの魅力の一つだ。



「好き……」



思わず言葉に出してしまうと、ハジメはきょとんとした顔をした。


それから、やわらかく微笑み、

「俺も好きだよ」

と言った。
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