山賊眼鏡餅。
赤い頭巾をかぶった老人の姿を確認できたと思った瞬間、バイクが宙に浮いた。


「わっ!何!?」


「ババアが!ババアがバイクを持ち上げてやがる!?」




赤頭巾ババアが、私たちのまたがったバイクを持ち上げている。


信じられない光景だ。



「さあ、中に来るんじゃ!」

赤頭巾ババアはそう言うと、引き戸を足で開けて、家の中へ入って行った。



「キャー!」


「お助けを!」




あまりのことに、逃げ出す気も起こらなかった。





気付いた時には、バイクから引き離され、檻の中に入れられていた。
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