山賊眼鏡餅。
「仕返しって、俺ら何も悪いことはしてないぜ!ゴミを見てただけだ」


「嘘つけ!また燃やすつもりだったんじゃろ!」


「は!?そんなことしねーよ!」


「犯人はかならず犯行現場に戻ってくるというのがこの世の掟なんじゃ」


「たまたま通りかかっただけだよ!っ痛……刺すなよ!」


「この、放火魔!色魔!」


「俺は、そんな、魔じゃねぇ!」


「こっちには証拠があるんじゃ!」


「証拠って何だよ!」


「あれじゃ!」




赤頭巾ババアは、上の方を指差した。



見ると、壁のフックにスニーカーが片方だけぶら下げられていた。

緑色の汚いスニーカーだ。




「なんだよ、それ!」


「犯人の靴じゃ。おまえのじゃろ」


「知らねえよ」


「しらばっくれるんでねえ!」


「私の弟はそんなダサい靴はきません!」


私が言うと、赤頭巾ババアは、スニーカーをつかみ、弟の鼻先に近付けた。



「臭!」

弟が叫ぶ。

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