山賊眼鏡餅。
英語の試験は、思っていた以上に良く出来た。


さて、これから7時までどうしよう。

真帆に断られてしまったので、暇になってしまった。


合コンの日は、ランチをしながら女子チームで作戦会議をするのが私の定番だった。


とりあえず……

ハジメに電話をかけてみることにした。

こういう時、彼氏が大学の近くに住んでいると心強い。




ハジメはすぐに電話に出た。

暇だったらしく、すぐにふもとまで迎えにきてくれることになった。




山へ行くと、登山口の茂みの影にハジメが立っていた。

ハジメは、長い髪をポニーテールにして、黒いTシャツに黒いジーンズを履き、首には黒いスカーフを巻いている。

相変わらず黒尽くめだが、夏らしいさわやかさがある。



山に入って少し登ったところの岩に、私たちは座った。


ちょうど木の影になっていて、登山客からは見えないポイントだ。




ハジメは、人に見られることを嫌う。
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