なまやさしい歌
いつも思う。満員電車は愚の骨頂だって。


あり得ない人の数が、まず、駅に吸い込まれる。

それから次に、許容範囲を超えた電車の中に、更に人々が織り重なる。


ある意味では、芸術だ。でも、僕にしてみればただの苦痛だ。


いつもの時間の、いつもの車両。
急行電車がホームに到着する。

入口付近で、あり得ない表情をした友人を発見。
彼もまた彼なりに、人波に押し流されないように必死なんだろう。

毎朝、そこで必ず笑ってしまう。


彼が僕に気づく、ドアが開放され、ある程度の人が解放されると、満員電車という戦場に放り込まれた。


危険です、押し合わないで下さい。
電車、ドア閉まります。


通学は戦争だ。
押し合わない方がどうかしてるよ。
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