なまやさしい歌
そわそわしてる。


今もし、誰かに見られたら、この動揺、きっと伝わるんじゃないかな?胸の高まりを含めて。


とりあえず風に吹かれて来よう。街に出て、動揺さえも街に風化させよう。


兄貴は、ベランダに寄りかかって、ポテトを貪りながら、タバコを吸ってた。


部屋を通り過ぎた後で、出かけるのかー?って声だけ、追いかけてくる。


うん、あんなにたくさんありがと、行ってきますって駆け下りる階段で叫ぶ。


最近、買ってもらった、赤のスニーカーを履いて、自転車の鍵を持って、玄関を勢いよく飛び出す。
行動には迷いが無くて、さながら週刊誌の主人公気取り。
うん、悪くない。


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