「REAL」―あるアイドルの告白―
次の日から、執拗に始まったイジメ。

あたしのさわる物全てが、濡れてカビが生えると言われ、しっけて臭うと陰口を叩かれた。

イスにも机にも、いつも水がまかれ、上履きだけじゃなく、体操着も、教科書までもが毎日のように水につけられた。

先生は見て見ぬふりをし、時には、頭から水をかけられてガタガタと震えるしかないあたしを、クラスのみんなといっしょに取り囲んであざ笑った。

誰も、信じられなかったし、信じたくもなかった。

イジメたいなら、イジメればいいと、そんな風にただ現実から目をそむけて、やり過ごしていくことしか、あたしにはできなかった。

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