「REAL」―あるアイドルの告白―
バラがなくなって、スタッフももう大丈夫だろうと監視をやめた頃から、今度はいつもどこからか視線を感じるようになった。

どこへ行こうと、片時もなく、あたしを見つめている目――。

刺すような眼差しが、絶えずまとわりついて、あたしから離れなかった。


そうして、視線が気になり出してから一週間もしない内に、

ふいに、マンションのポストに、1枚のメモが入れられた。


「25日 19時から、コンビニで買い物」


メモに書かれた、一行。


それは、まぎれもない、今日のあたしの行動だった。

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