「REAL」―あるアイドルの告白―
あたしはもう、七瀬リオでなんか、いたくなかった。

自分の中にいるリオが、気もち悪くてしょうがなかった。

七瀬リオがいる限り、あたしはなんにもできない。

リオなんて、捨てたいよ。

何をするにも、リオが付いてまわって。

あたしは、自分の歌いたい歌さえ、歌えない。

この歌が、七瀬リオのイメージには合ってるからって。

歌いたくもない歌を、ステージで歌ってるあたしは、

ただインプットされた歌を垂れ流すだけの、マシンにしか過ぎないように思えた。



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