「REAL」―あるアイドルの告白―
事務所は、あたし自身が謝って、改めてやり直すというなら、今回のことは目をつぶってやってもいいと言った。

以降、あたしが真摯な態度を取るのなら、事態はなんとか収束させる。契約も続行してもいい。

おまえの、出方次第だ。


事務所の言い分に、あたしは首を横に振った。

もうあたしには、アイドルとしてやっていくつもりなんてなかった。

あたしの過去に気づかれた今となっては、このままアイドルを続けられるとも思えなかった。
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