「REAL」―あるアイドルの告白―
何やってるんだろう……と、思った。

死のうとして、なのに血を止めようとしてる自分に、笑えた。

だけど、自分を傷つけるっていう行為に、やり場のなかった気もちの行き場所を、なんだか見つけたようにも感じて、それからリスカは何度かくり返した。

リスカをしながら、いつも伸ばした刃の鋭さを眺める度に、もうこんなことやめようとも思って、でもやめることもできなくて、あたしは泣きながら自分を傷つけ続けた。


痛くて、そして辛かった。


できるなら、リスカなんかやめるきっかけが、あたしは欲しかった。


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