「REAL」―あるアイドルの告白―
今日も、上履きがぐっしょりと濡れてる。

でも、こんなのまだ序の口。

教室に入っただけで、今までしゃべってたクラスのみんなが、一斉に黙り込む。

黙って、あたしをにらんで、そうして、くすくすと笑い出す。


「上履き、また濡れてるしー」

「きっと靴下もびしょびしょだよねー。臭そうー」

「ホント、臭そうー」


わざとらしい、聞こえるように言う声――。
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