「REAL」―あるアイドルの告白―
「えっ、あの…ちょっと、カサ取りにいけなかったから。

少し濡れちゃって……」

笑って取りつくろうあたしを無視して、


「濡れ女」


と、昨日まで友達だと思ってたコが、ふいに冷たく言い放った。


「え……濡れ女って…なに…?」


わけがわからずに聞き返すあたしに、さらに他のコが追い討ちをかける。


「濡れ女とかいう妖怪って、いなかったっけ?」

「妖怪! いたかも!」

「妖怪 濡れ女!!」


周りが、げらげらと笑い出す。
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