闇と深紅に招かれて~召喚編~
「それ、いいね。」
人差指と親指を
顎に這わせて、ニマニマする。
ルカは
その態度にムカッとした。
何も分からないまま
こんなところに置き去りに
しようっていうのだ。
それも、ルカが
ここにいることの
原因を知っていそうなくせに、だ。
けれど、ルカは
アキヒトのご機嫌をとってまで
事情を説明してもらうとか、
これからどうしたらいいのかとか、
訊こうとは思えなかった。
「じゃあいい。独りで何とかする。」
宣言すると、
アキヒトに背を向けた。